星のカケラたちdiary

星のカケラ(分散した人格)たちが一つに集合して、それぞれの胸の内を語る場所

【執筆者:ライト】

『担保』という言葉に俺は常々思う。

物には価値があるけれど、
人にはまるで価値が無さそうな
ニュアンスだよな、と。
物には査定基準があって値段が付けやすいから、
それを保有している人間には担保という
保証が受けられるんだろうが。
担保としての価値があるものだって、
突然の災害などで失えば価値が
なくなったり低くなったりするものだろう?

何故、物質である担保の保有に価値があって、
人間には価値が無さそうな対応をされるんだろうな。

俺は思う。
人間そのものには全く担保が無いわけでは
ないんじゃないかと。
『生命保険』ってものが、
人間そのものの担保になってもいいはずなのに
担保扱いにならないことが俺には不思議でならない。

本人の希望でいつでも解約できることが
問題だからか?

生命保険をコツコツと掛け捨てで
支払っているのは、後の役に立つからだろう。
その、後の役に立つものを担保にすることが
できるようなシステムを俺は望む。

例えば、支払い義務があるものを滞納していたとする。
それを本人が支払わないままでいた場合は
個人で加入していた生命保険から自動的に天引き
される仕組みにするだとか。
物質としての担保となる所有物が無い人間の
担保代わりに生命保険が利用できれば、
どれだけの人が自分自身に価値を感じることだろう。

物質としての担保の有無で
人の価値だったり信用だったりが
決まる世代から、人間そのものへの
価値を感じられる次世代に飛躍しない
ものだろうかと俺は思う。

 

そしてもう一つ。

俺らは卑弥虎の暴走に対する対処の為に
各自で動いた証拠は履歴に残してある。
爽太は懸命に求職活動して働いた稼ぎで
なんとかしようとしたけれど、
仕事が途切れたりして
働けない時期があった。
1本化についても複数、当ってみたが
何処も対応してくれなかった。

ならばどうなる?
期日に間に合わないなんて出来事が
起きるのは必然だよな?
何故、世間は俺たちの計画した通りに
しなかった?
俺は卑弥虎の尻拭いとして先ず、
コンスタントに返済して行ける
設定にした。
爽太がギリギリの生活になるとしても
返済が滞ることにはならない設定にな。

最大の原因は、
『計画通りにする為の仕事を与えなかったこと』が原因であり、
次の原因は、まるで誇大広告かと思うくらいに
1本化を断られたこと。

この2つがスムーズに進んでいれば
何も問題は起きなかったということだ。
それらの履歴は、残してある。