星のカケラたちdiary

星のカケラ(分散した人格)たちが一つに集合して、それぞれの胸の内を語る場所

【執筆者:ライト】

卑弥虎が“また”やらかしやがった。
先月と今月で二度目だ。

アイツの原動力となったのは、
表人格である爽太の環境変化によるメンタル重圧の負荷。
本来のGIDである爽太らしい格好をすればする程、
好奇の眼差しを向けられ噂の的となることが
負荷になり始めたようだ。
爽太は本来、視線を気にしないタイプなんだが、
元主人格の卑弥虎が昔から抱えているトラウマが時々、発動する。
視線恐怖症』がそれだ。
あまり頻繁に視線を向けられ続けると
バックにいる卑弥虎の感情が表の爽太にも飛び火することがある。

カケラが精神修行をして今の面になるまでは
初対面にとってスゲーきつい印象を与える面だったらしい。
特に、つり上がってた目が、な。
ただ視線を向けているだけで「睨むんじゃねぇ」と難癖つけられることが
多かった過去のトラウマで卑弥虎はたいして視力が低くもねぇのに
メガネをかけるようになった。
それが原因でアイツの視力は悪くなった。

俺にもそれは該当する。だが俺にはそれが“恐怖症”ではなく、
ただ単純に「ジロジロ見るんじゃねぇよ」と、
キレる動機になるだけなんだが。
勿論、やられたらやり返す俺だったら容赦なく睨み返すけどな。

爽太やSOUSEKIは他人とのコミュニケーションで目を見て話すが、
それ以外の人格の場合は他人と目を見て話すのを嫌うかもな。
俺が目を見て話さねぇ理由は他人の余計な詮索だとか
洞察力が単純にうざってぇからってことで。

マスター流聖さんが目を見て話さねぇ理由は俺らとは別にある。
目によるコミュニケーションについて流聖さんは極度に神経質だ。
目から発せられる視線というものには、
力を与えれば力を奪うこともできる
エネルギーの送受信センサーが備わっているんだそうだ。
マスター流聖さんの視線は特に、他の人格とは違って
視線の先にいる相手のエネルギー中枢に何らかの変化をもたらすらしい。

あとは、grasanか。あいつは特別だな。
普通の大人とは思えねぇような視線を
他人に向けてる時ってのはgrasanであることが多いだろ。
じーっと一点を見つめたり、突然
好奇心に満ちた視線を向けたりと不可解な行動をする。
幼少から教師などに指導されてきた「注意力散漫で落ち着きがない」
性格が健在で、grasanはどこを見て何を考えているのか
わからねぇ時が多々ある。



ってことで脱線した卑弥虎のやらかした話に戻るか。

爽太の身を案じたりと
俺が極めて大人しくしているという状況も
アイツに隙を与えたかもしれねぇな。
爽太の不調はチャンスだと言わんばかりに乗っ取りやがった。

俺らを守っている神様ってのが、
カケラのピンチをチャンスにする凄腕の存在であることは、
カケラの全員が知っている事実で。
そこを利用しようって魂胆で卑弥虎は、爽太と入れ替わった。
アイツはこんなふうに言っていた。
「爽太にかなりの理不尽が生じているようだから、
私たちの神様そろそろ降臨するんじゃないの?
最近、やむなく使ってるコインパーキング代金の
足しに私が協力してあげようか。
日々、私に絡んでくるライトくんへのプレセントとして
クマのアイテムでもあげようかと思って。」

そして、アイツはやらかした。


アイツは帰り道に早速、
俺へのあてつけ的な行動に出た。
クマアイテムを探しに向かったのだ。

クマの絵柄のTシャツを買いに。
所有する類ではなく俺に、「着ろ」ということらしい。
俺は着る服に許容範囲がある。
可愛らしい絵などが入った柄の物はまず、選ばない。
だが、卑弥虎は見事に自分自身の賭けに勝ちやがった。
俺がアイツの条件を飲むしかない。

こうなったら可愛らしいキャラクター柄のものでも着てやるよ、
くまモンリラックマ、くまプー、たれぱんだ・・・
なんでも来やがれ、と俺はそこまでは妥協した。
だが、アイツは俺の許容範囲外の絵柄を選ぼうとしやがった。

それは決して、可愛らしいものでは・・・ない。
よくわからねぇオヤジくせぇクマの絵柄で
そんなに目立たねぇからいいんじゃねぇか?と思って
許可しようとしたが・・・

ちょっと待てよ。


この絵柄・・・どこかが、おかしいだろ。


片腕を上げた腕に、傷だかリスカだかの跡が付いていて、
そこから血みてぇなポツポツが飛び散っている。

アイツは日頃の恨みとばかりに
「このTシャツを着ろ」と、楽しそうに
買い物中に暫く携えていた。

俺は「さすがにその絵柄は勘弁してくれ」と
卑弥虎に頼み、購入を諦めてもらった。
キャラクターものなら、カケラの部屋着にもできるが
カケラに着させられねぇものを経済担当者が卑弥虎に
買わせるわけには行かず。
ってことで、キャラクターもので検討してもらうことにした。


ちきしょう・・・卑弥虎のやつめ・・・



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